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TEL. 0280-86-6790

〒306-0413 茨城県猿島郡境町山崎833-1

Repair Service

2001年8月の創業以来大変多くのお客様からご依頼頂きました修理品や改造依頼品などの中から画像の一部を拝借し掲載させて頂いております。


46C AMPLIFIER

このアンプは個人的にも数年間使用していた(私のは46Bでした)こともあり比較的容易に修理が完了した記憶が有ります。本機で複雑な部分といえば劇場用の装置としての動作チェック用メーター回路くらいで、その他はインプットトランス付CR型2段増幅インターステージドライブの終段プッシュプルという超古典的増幅回路です。これらの古いWEアンプのネックはなんといってもピッチペーパーコンデンサーのリークです。電源回路に使用されている21CBのリークにより整流管205Dを壊してしまうなどの事故や各デカップリングコンデンサーのリークによるプレート電圧の低下などが起こります。もっとも、カップリングコンの絶縁不良によるインターステージの1次側断線などの事故は代替トランスの調達という大きなリスクが伴うことも有ります。


49 AMPLIFIER

このアンプは本来フォトセル用ヘッドアンプとして設計された2段増幅型ですが使用目的に応じて3段構成のものも存在していました。3段構成とはいってもμの低い直熱3極管239や264では十分なゲインやF特を稼ぐことは出来ませんので、本機を現在のオーディオ装置に利用するというのはそれほど得策とは思えません。それでもあえてこのアンプに固執するというのであれば、以降のラインアンプやメインアンプに比較的ハイゲインな機器の導入を検討しなければなりません。
個人的には20代後半から30代頃に使用していた49アンプ3段構成フラットアンプーLCR EQー46BアンプーTA4151(WE)+555W(6A Horn)+596A(WE)によるモノラル装置の決してワイドレンジではないが一服の清涼剤としての穏やかな音楽表現が今となっては大変懐かしく思い起こされます。


8A & 9A AMPLIFIER

このアンプは今までに2回ほどメンテナンスをした経験が有りますが、非常に生産台数の少ない機器だということのようです。やはりこのアンプもネックはピッチペーパーコンデンサーのリークですが、使用されているトランス類は超一級品ばかりです。これぞWE本来の持ち味が発揮された名機といえるアンプなのではないでしょうか。とはいってもレンジの狭さだけはどうにもならないのでどなたにでも薦められるようなアンプではないことは確かです。ちなみに10Aアンプまで使用することを想定した電源装置には219整流管を2本使用した大型電源装置が使用されていました。


41A & 42A AMPLIFIER

フォトセルアンプからのオーディオ信号を受ける3段構成前置アンプで、プッシュプル42Aアンプのドライブアンプとしての位置付けです。後に前段を2段増幅に変更し終段205Dプッシュプルをフルドライブするためにインターステージの昇圧比を上げて設計されたのが46型アンプということになります。このアンプではハイインピーダンス型ATTの抵抗断線と例のピッチペーパーコンのリークが心配です。本機もまた21CBをたくさん使っていますから良品をそろえるのも今となっては至難の業といえるでしょう。画像3枚目の42Aアンプは電源のコンデンサーをAEROVOX製オイルコンに交換して先ずは一安心というところです。


86/91 AMPLIFIER

こちらは2010年10月アメリカでの出張修理となりました。正味10日間で86アンプ8台、91アンプ4台、マランツ#1を7台メンテナンスという強行軍となりましたが、今となっては楽しかった思い出です。同行して頂いたH.Tさんへの感謝と共にメンテナンスの依頼を頂いたLA在住のWEコレクターさんには画像を拝借させていただいたことも含め改めて感謝したいと思います。また、休日には日ごろからタンガーバルブや真空管などの購入でお付き合いの有った郊外にお住いのK.Wさん宅に伺うことが出来ました。突然の訪問にもかかわらずご夫婦共々快く迎えてくれたことを覚えています。そういえば帰国日が一日延長というエアーチケットの予約ミスが有ったおかげで、メンテナンス依頼人と一緒にダウンタウンのレコードショップなどを巡る楽しい一日を過ごすことが出来ました。それも今となっては懐かしい思い出となりました。

さて本題に入りましょう。先ずこのアンプに使用されているコンデンサーはAEROVOX製電解がオリジナルなのですが、初期のピッチペーパーに比較して耐久性は上がっているものの時折容量抜けを起こします。特に耐圧の低いカソードデカップリング用の不良の多さが目につきます。しかし、86アンプに関してはその他にはこれといって気になるところもなくスムーズに作業を終えることが出来ました。気を付けなければならないのは、やはりインターステージ264Cの断線です。203Aカップリングコンデンサーは21CBなどのピッチペーパー型とは比較にならないほど絶縁が悪化しにくいもののですが、カソード側でDCをカットしているパラレルフィード回路では電蝕を起こし易いため稀に断線という憂き目に遭うことが有ります。フォトセル用アンプのトランスとしては珍しいことでは有りませんが、殆どのトランスで昇圧比を最大限にとっていることが多いため断線し易いのです。この264C INTも例外ではなく、超が付くほどの極細線を使用していますから断線修理には相当な根気が必要になります。

91アンプは電源回路や各増幅段のデカップリング回路が必要以上に厳重な構成になっていますが、当時としてはプレートインピーダンスの高い2段電圧増幅段の安定性の確保がこのような二重デカップリング回路になってしまったのでしょう。ある意味フォトセルの微小信号を最小限の増幅段で増幅しようとする簡易型移動用装置の典型的な回路構成ですから、プレートインピーダンスの高い310Aを2段構成にするというのも当時としては致し方のないことだったのかもしれません。球以外に壊れるところなど殆どないといっても良いくらいの簡素な回路ですから電解コンデンサーの耐用年数による不良を気にするだけで十分ではないかと思います。4台のうちの1台のオリジナル配線の一部が外されていた為に再配線という思いがけない作業になってしまいましたが、何とか元通りに修復することが出来ました。


こちらの91Bは国内のお客様からの修理依頼品でした。やはり電解コンデンサーの絶縁状態が思わしくなく良質なものを探すのに苦労した記憶が有ります。欠点の多いアンプでは有りますが、これほどコンパクトでそこそこのパワーを持ったアンプがそうざらにあるわけでもないという理由も含めて一部のビンテージオーディオファンから珍重されているのかもしれませんね。しかし、考えようによっては前段3結2段増幅インターステージドライブならもう少しまともな音楽性の有るアンプになりそうな気もします。いずれにしても古典的なフォトセル用アンプをHi-Fiオーディオ再生装置に流用するということへの限界を感じられる方も多いのではないでしょうか。


43A AMPLIFIER

本アンプは241Aインプットトランスドライブの単段211A/Dプッシュプルブースターアンプです。
後に242Cを使用したハイパワー型としても使用されましたが、音質的にはオリジナルの211A/Dの方が穏やかで質の良い音を出してくれた記憶が有ります。しかし、211も242も寿命の短い球で私が使用していた同型機では2年もするとプレート電流が下がってしまうことが有り、とても私の懐具合では維持し続けられないという苦い経験もあり、その後212Dシングルへの改造を経て2枚目画像の241Aシングルブースターアンプと変化していった経緯もありますが、このアンプで鳴らすTA4181×2とWE594Aの高圧フィールド化したスピーカーから鳴り響いた当時の音は今でも忘れられません。
ちなみに隣の2本の大型管は219Dというオキサイド型半波整流管です。この時使用したパラレルフィード用シングルアウトプットはWE102A RETから外した純鉄リングコアの超大型タイプを使用したものでした。
このアンプに使用しているピッチペーパー95Dは2KV耐圧なのですが、思いの他リーク気味なものが多くプレート印可電圧を低めの980Vほどに設定しても不安が残るものでした。特にカソードグリッド間のポジティブフィードバック用コンデンサーの絶縁はことごとくダメでした。とはいえコンデンサー以外に不良になるものなどほとんどない単純明快なアンプですから球さえ確保できれば誰にでも容易に維持できるアンプと言えます。




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